Index Exchangeの視点

Sellers.json/ Schainとその透明性についてメディアと広告バイヤーが知るべきこと

Index Exchangeは、Sellers.jsonとSchainのIAB仕様を初めて採用・順守を開始した広告取引プラットフォームの1つです。説明責任をどこよりも果たし、IXでアクセスや購入ができる全インベントリーのリソースについて、パートナー企業の皆さまが精査ができるようにすることが理由です。

要約すると、Schainは、各インプレッションにアクセスした各当事者のセラーIDをリスト化する入札リクエストオブジェクトです。Sellers.jsonは一般公開されているディクショナリーであり、広告バイヤーはSchafnでリスト化されているメディアを検索することができます。その結果、広告バイヤーは自身とエンド・パブリッシャーの間でなされる入札リクエストの各手順を知ることができ、DSPにおいては広告バイヤーにとってより良い購入判断ができるようになります。

アドテク業界として、現在ほぼ100%採用に至っています。これは完全な透明性を保つデジタル広告エコシステム実現という目標に向けて、大事な第一歩です。しかし、各社で採用いただくだけでは不十分です。この規格を正しく理解し、正しく実装することも重要なのです。Sellers.json はこの規格のうち「一般公開されている」部分であるため、一般的にSellers.jsonファイルをもっとも効率的かつ効果的に実装、解釈、解析できるよう、IXで気づいた点をいくつかご紹介したいと思います。

メディアの皆さまへ:Sellers.jsonファイルを投稿する際に留意いただくこと 

  • パブリッシャーの各エントリに同じIDを設定しないようにしてください。Sellers.jsonファイルの各エントリには、それぞれ独自のセラーIDが必要です。これにより広告バイヤーは、各中間業者のads.txtエントリを照会し、また通過するSchainオブジェクトの「sid」オブジェクトに照らし合わせてエントリを検証できます。広告バイヤーがこの手順を完了できない場合、結果としてそのメディアからの広告枠購入は停止されます。
  • Sellers.jasonの「name」フィールドに、URLでなくセラーの事業者名が入力されていることをご確認ください。各Sellers.jsonエントリには、メディアのURLや広告枠の場所ではなく、広告取引を実施する事業者へのリンクが必要です。
  • リストには「Google Open Bidding」を単独のメディアとして記述しないでください。広告取引プラットフォームでは、Google Open Bidding(旧称Exchange Bidding)をパススルー・エンティティーとして使用する何百もの異なるメディアのマネタイズが可能です。広告取引プラットフォームがSellers.jsonでこのような状況を打破しないと、広告供給が不明瞭なものとなってしまいます。
  • 各Open Biddingセラーの名前に「google.com」は設定しないでください。広告バイヤーは、Sellers.jsonの「name」フィールドから、購入を試みるメディアがどの事業者なのかを判別します。各メディアの名前は、Open Biddingの使用有無にかかわらず明示的である必要があります。
  • 「domain」フィールドを設定する場合は、支払先のドメインと、広告が表示されるURLを混同しないでください。セラーは、各支払先の身元についてご確認いただく必要があります。DSP各社は、このフィールド情報が不正確なメディアからは購入しない可能性について言及しています。

広告バイヤーの場合:SPO用にSellers.jsonを解釈する際に留意すべきこと

Sellers.jsonは主に入札リクエストにおけるSchainオブジェクトの解釈においてDSPを支援するために開発されました。Schainオブジェクトは名前でなくセラーIDのチェーンであるため、広告バイヤーはSellers.jsonを参照してチェーン内の各IDの身元を確認できます。Schainは、インプレッションの支払チェーンを示すため、広告バイヤーは Sellers.jsonとSchainを使用して広告取引のサプライパスの最適化を実現できます。

Sellers.jsonのリリース以降、SPOの2次目的のためにSellers.jsonファイルについて直接解析しようとする広告バイヤーが見受けられます。それは不可能ではありませんが、ご注意いただく点がいくつかあります。

中間業者が規格を正しく実装していることを確認してください。Sellers.json 規格は単純明快なので、中間業者が準拠を怠っている場合は注意が必要です。上記のメディア運営者向けのヒントから、実装に問題がないことをご確認ください。

  • ads.txt を相互に記載する必要があります。中間業者がSellers.jsonのリストにパブリッシャーを記載しているものの、その中間業者がパブリッシャーのads.txtファイルに記載されていない場合、実際にはそのインベントリの提供が承認されていないことになります。
  • 「中間業者/パブリッシャー/両者」のセラータイプのフィールドを利用する場合は十分注意してください。「中間業者」は、必ずしも常に「広告ネットワーク」を意味するわけではありません。一般的な意味での「リセラー」広告ネットワークでなくとも、専門リセラーおよび販売業者は「中間業者」と呼ばれる場合があります。実際、Google Open Biddingテクノロジーを使うセラーは、IXの広告取引プラットフォームに参加いただけますが、Googleが少額の手数料を徴収するため、IXがパブリッシャーと直接的な関係を持っていたとしても「中間業者」と表記されます。
  • インベントリーの数量はメディア間で均等に分配されるわけではありません。Sellers.jsonファイル内のメディアの数は、広告取引量には直接比例しません。取引の大半には、広告枠の供給量の少ないメディアが縷々と連なるロングテールがあります。これは上記の点に関係します。つまり、「セラータイプ」の分布が必ずしも支出金額の分布を示すわけではないのです。
  • さらに詳細データをご紹介すると、IXのSellers.jsonエントリの約50%が、IABの定義では(財務的な意味で)「中間業者」として記載されますが、80%を上回るIX支出はヘッダーやサーバーツーサーバーによりパブリッシャーのアカウントへ直接支払われます。このため、広告バイヤーが購入するという意味での「中間業者」の割合は実際には低くなります。Sellers.jsonファイルを確認せず、インプレッション数や支出の分布について詳細データについて確認を怠ってしまう場合、この分析ミスが容易に発生しかねません。

今後について

新しい規格ですので仕方ありませんが、バージョン1.0はまだ第一歩に過ぎません。今後もアドテク業界内でのフィードバックの共有を重視し、今後の機能リリースにおいて良いよい機能をご提供することはもちろん、アドテク業界全体でより透明性の高い広告取引を実現していくことが重要です。仕様が発展する過程において、IXではパブリッシャーおよび広告バイヤーの皆様と連携し、IAB Tech Lab. での検討を続けていきたいと考えております。

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